
かしお
それはね…
ぶっちゃけて言うと私の一番大切な人は「私自身」である。
…なんて言うとつまらない人間だと思われるかもしれないが、どんなことがあっても自分を優先したいし結局自分のことしか考えられないから仕方ない。
自分以外で言うと、今一番大切なのはもちろん「飼い猫」だ。私の唯一の家族だから。
あとはやはり「母」だろう。すでに亡くなっているが、私が今生きていられるのはほとんど彼女のおかげで本当に言い表せないほど感謝している。
しかし私はその感謝を母に伝えられなかったことを今でも後悔している。
一番大切な人だったはずなのに、あの頃の私はいつも憎まれ口を叩いて母を悲しませてばかりだったのだ。
「産んでくれてありがとう」と言いたいはずだったのに、彼女に放った「なぜ私を産んだの?」というあの冷たい言葉はもう取り消せない。
きっと深く深く傷つけてしまったに違いない。思い出す度に自分がとても情けなくなって、この世から消えてしまいたくなる。人に向けた言葉のナイフは結局自分に跳ね返っていつまでも心を抉るのだ。
大切な人ならば一緒に過ごす時間はやっぱり笑顔でいたいものである。
自分ひとりでいる時も自分がご機嫌でいられるようにやりたいことだけやっているし、猫と一緒にいる時間もできる限り彼女が幸せに過ごすことができるようこれからもサポートしていくつもりだ。
それは大切な人を失ってわかったこと。命は有限だから、大切な人と一緒にいられる時間はもっと短く貴重なものなのだ。
